明日が楽しみになる日記

おっちょこちょい、人見知り、小心者のこっこが好奇心だけで世界を旅します。

人生初のホームステイ

人生で初めてマレーシアを訪れたのは中学生の頃でした。私の住んでいた田舎町は、マレーシアの小さな都市と姉妹都市提携をしていてその交流事業の一環で1週間マレーシアに行くプログラムがありました。「マレーシアかぁ、どんなところだろう。行ってみたいな。」と思いました。費用の一部は自治体が負担してくれるものの、個人が負担しなければならない金額も決して小さくはありません。学校の先生から募集要項のアナウンスがあったその日、仕事から帰ってきた父がかばんを置くか置かないかのところで私は一気にマレーシア行きのことを話しました。父は面食らった様子でしたが、最終的には行くことを許可してくれました。保護者のOKが出れば無事に行けるというわけではありません。応募者が多かったので参加者は抽選で決めることになりました。人生でくじ引きが当たったのは後にも先にもこの時だけです。参加メンバーに決まったときはとっても嬉しかったです。マレーシアは色んな言語が話される国だと習い、英語、中国語、マレー語であいさつの練習もしました。

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現地では同じく中学生の子供がいる家庭で、ホームステイをする事になっていました。人生初のホームステイです。シンガポールから陸路でマレーシアに入国します。ついに初めてホストファミリーと対面する日がやってきました。次々と名前が呼ばれホストファミリーと同級生たちが対面する中、私はどうか優しい人がホストファザーでありますようにと心の中で祈りました。教室の後ろにずらりと並ぶホストファミリーの中から優しそうな顔の人を見つけてはあの人がいいななどと思っていました。私の名前が呼ばれ紹介されたその人は、ゴルゴ13みたいなサングラスに金のアクセサリーをじゃらじゃら身につけた強面の男性でした((( ;゚Д゚)))。

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今でこそ、マレーシアの経済発展は目覚ましいものがありますがその当時は地方都市のおうちはクーラーもなかったし、トイレも手で水を汲むタイプが一般的でした。そんな中で私のホストファミリーは町一番の大金持ち。自営業を営まれているおうちは立派な新築の3階建てで、各部屋には最新家電が取り揃えられていました。お部屋は個室が用意されていました。ホストファミリーの中学生の女の子は快活で聡明で、学校でも中心人物といった感じです。滞在中も他のホームステイ先の同級生が集まるのは私のステイ先でした。日本から一緒に行った同級生たちは私のステイ先を見ては驚き羨ましがりました。

強面のホストファザーは実際にはすごく優しくて、温かく歓迎してくださいました。一週間の滞在で私は慣れない食べ物に目を白黒させたり、英語が通じて嬉しかったり、日本の家族が恋しくなったりしました。そうして出会ったマレーシアは今も私を魅了して止みません。