明日が楽しみになる日記

おっちょこちょい、人見知り、小心者のこっこが好奇心だけで世界を旅します。

夜のドライブ 1

その日、私は大きく新しそうな車の助手席に乗って闇の中を走っていました。

墾丁での1日観光を終えて、ガイドの金さんは一緒にツアーに参加したお客さんをそれぞれの宿泊施設の前まで送り届けます。私の民宿の周りにお店がないことを心配して、金さんはどこかご飯が食べれるところで降ろすからそこで食べてから帰ったほうがいいよとアドバイスをくれました。
ちなみにこちらの写真は日中のツアーで寄った船帆石。リチャードニクソン元大統領の頭に似ていると言われているとのこと。
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お客さんをみんな送り届けたあと、金さんは私を墾丁大街(夜市)の近くで降ろしてくれました。金さんと別れてすぐ、民宿の方からはごはんちゃんと食べたかどうかと迎えに行こうかという確認の連絡をもらっていました。
けれど、これから墾丁大街を見て回るのにどれくらいかかるかが分からなかったのと、2日連続でお迎えを頼むのは悪いなと思ったので「大丈夫。タクシーで帰るから心配しないで。」と返信しました。

ぷらぷらと屋台をみて、海鮮のお店でご飯も食べました。流しのタクシーはほとんどいないとインターネットでも書いてあった通り、一番賑わっているはずの墾丁大街でも空車のタクシーを見つけられずにいました。
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どうしようかなと思っているところ、一軒の旅館の前にタクシーが停まっていまることに気づきました。旅館の看板には配車サービスもしていると書いてあります。なかなかの幸運であります。
カウンターに座っているおじさんに、タクシーに乗りたいと告げました。おじさんはどこかに電話をかけてから、あと10分したら車は来ると言いました。旅館の目の前に停まっているタクシーに乗せてもらえると思っていたけれど、そうではない様子です。
10分待って現れたのはいつもの見慣れた黄色のタクシーではなく、普通の自家用車でした。おじさんは「わしの息子じゃ」と言いました。
おじさんは口頭で私の民宿の場所を簡単に説明して、「ほんなら頼んだぞ」という感じで見送ってきます。墾丁の夜の街で、おじさんの息子との夜のドライブが始まりました。