明日が楽しみになる日記

おっちょこちょい、人見知り、小心者のこっこが好奇心だけで世界を旅します。

水炊きみたいな恋

今日は過去にも何度か書いてきた私の好きな人とのことについて書きたいと思います。

あれからどうなったのかと言うと、具体的には先日はじめて二人きりでご飯に行くところまで漕ぎ着けました。恋愛の達人からみたらびっくりするくらいのゆっくりの歩みだと思います。

互いにご飯行きましょうと言い合うこと数ヶ月。途中互いのお仕事の繁忙期に、彼の体調不良などの不運も重なり具体的な日にちはなかなか決まりませんでした。当の私もこのままおばあさんになるのではないかとヤキモキする日々を過ごしてきました。いつもは楽観的な私もさすがに諦めかけたある日のお昼休み、彼から具体的な日程を尋ねるLINEが入っていることに気がつきました。そのときの気持ちを表す言葉を私は持ち合わせていません。その日の午後は気を緩めると顔がニヤニヤしそうになるので、わざと神妙な面持ちでキーボードを叩きました。

遅くまでお仕事をする彼に代わり、お店選びは私が買ってでました。選んだのは水炊きのお店です。はじめての二人きりのご飯でお鍋なんて少しハードルが高いかなとも思いましたが、食べるものが明確なほうが悩まなくてすむかなと考えてのことでした。

鍋をはさんで二人で向き合いました。普段は隣の席でお仕事をしているので、横顔を見ることが多いです。改めて向き合うのはドキドキしました。はじめのほうこそ少しぎこちない空気が漂いましたが、お鍋のお野菜がしんなりするころには私は自分でもびっくりするくらいリラックスして大声で笑っていました。その日私が一番嬉しかったのは、自分が自分らしくいられたことです。以前の私なら良く見られたいという思いが勝って、思ってもないことを口走ったり、大人しいキャラを演じたりしていたと思います。これは恋愛に限ったことではないのですが、自分を肯定することをこの1年をかけて学んできた気がします。おっちょこちょいな自分らしさもいかんなく発揮し、つかみ損ねた骨付き肉がテーブルを転がっていきました。

普段、お仕事では決して口数の多くはない彼もいろんなことを話してくれました。彼の言葉ひとつひとつには周りの人への思いやりが感じられて、私の心はぽかぽかしていました。もしこの恋が実らなかったとしてもこの人を好きになって本当に良かったです。優しくて温かくて、まるで水炊きみたいな人だなと思いました。

すっかりクリスマスイルミネーションに変わったビルを背に、別れ際彼は「こっこさんがタイ出張から帰ってきたらまたどこか行きましょう」と言いました。


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