明日が楽しみになる日記

おっちょこちょい、人見知り、小心者のこっこが好奇心だけで世界を旅します。

日本語教室

最近、懐かしい場所がニュースに取り上げられているのを見ました。私が大学生だったときにはクラスの半数が外国籍の児童と言われていた小学校が今やその割合が7割を越えると報じられているものでした。

私は大学生のときに、ゼミの先輩に誘われてボランティア活動に参加していました。先輩はとても美しくて聡明でおまけに面倒見の良い方でした。知り合ったばかりの私に、私に向いてそうなバイトの求人があったからと勧めてくれるような方でした。そんな先輩がもうすぐ海外留学に旅立つということで、先輩が参加されているボランティア活動に私を後任として連れていってくれることになりました。

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活動はその地域に住む外国籍の方が対象です。大人たちには日本語を、子供たちには日本語に加えて学校の勉強のサポートをしていました。主には定住ビザで今後も長く日本に住む予定の方です。他のボランティアスタッフは日本語教師を目指していて日本語教授法を習得しているか、あるいは生徒たちの母国語を専門に学んでいる方ばかりでした。私はどちらの経験もなかったので、一番初級の方にひらがなを教える係になりました。はじめに担当した生徒はラオスから来た20代の女性。英語が堪能な彼女とは英語で意志疎通をはかることができました。日本語を教えるのは初めての経験。2時間の活動はあっという間に過ぎました。

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その日の夜、私は興奮で眠ることができなくなりました。日本にこれほどまでに定住者の方が集中して暮らしている地域があることを知らなかったのです。色んな言語が飛び交い、エネルギーの塊がぶつかり合うその空間に頭がくらくらする思いでした。

それから卒業までの3年間、私はそこに通い続けました。本場の餃子の包み方を教わったのも、初めてバインセオを食べたのも、日本語がいかに難しい言語かを知ったのもあの場所でした。