明日が楽しみになる日記

おっちょこちょい、人見知り、小心者のこっこが好奇心だけで世界を旅します。

だって日本人だから

みなさんは自分の意見を相手にはっきり伝えられますか。私は自分の意見を相手に伝えることがとても苦手です。正確には苦手でした。つい相手の顔色をうかがって、相手が望むようなことを言ってしまったり、本当は自分の意見があるのに「私、こだわりがないから、どっちでもいいよ」と言ってしまったり。今は、こうした自分を少しずつ変えようと努力しています。

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台湾ではこんなことがありました。今回一番お世話になったホストファミリーと初対面を果たしたその日、車の中でお酒の話題が出ました。「こっこ、お酒飲めるの?」とホストファザーが聞いてきます。「はい、飲めます」。それを聞いて、ホストファザーは嬉しそうです。「じゃあ、今日うちに寄ってビール飲もう!」。
その日はAirbnbで予約した日よりも前に遊びに連れて行ってくれたのですが、一日がかりで台湾を案内してくれていました。さすがに他のAirbnbゲストが予約している日にお宅に上がりこんでお酒を酌み交わすなんて図々しいにもほどがあります。私は、「いいよ、いいよ。また今度、泊まりに行くときに飲もう。今日はパパも長時間の運転で疲れてるだろうし。」と言いました。その後なんとなく会話が流れて、結局どうなったのかあいまいなまま車はホストファミリーのおうちの方面に戻ってきました。おうちの近くの食堂で夜ご飯を食べて、解散かと思いきや一足先にホストファザーがお会計を済ませて食堂を出ていってしまいました。そう、私のためにビールを買いに行ってくれていたのです。結局この後私は図々しさ満点でお宅にあがりこみ台湾ビールを次々と空にしました。

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また、TLIの李先生はこんな話をしてくれました。TLIの先生の中に、お菓子作りが好きな方がいていつも作ってきては学校で生徒にふるまっていました。でも実は先生の作るお菓子はおいしくないことで知られていました。先生が学校にお菓子を持ってくること数回。この日もお菓子を持ってきて配っている先生にアメリカ人の生徒はこう言いました。「ありがとう。でも私は要らないわ。」。日本人の生徒はその日も断れずにお菓子をもらうことにしました。涙目になりながら無理やりお菓子を口にほうり込む日本人の生徒を見て、李先生は「何で断らないの?」とたずねました。日本人の生徒の答えはこうでした。「因為我是日本人」(だって、私日本人だもの)。先生はこの返答に大爆笑すると同時に「日本人ってなんていじらしいんだ」と思ったそうです。台湾人の場合はアメリカ人の生徒の反応と似ていて、要らない場合ははっきりと断る方が多いんだとか。
今回の滞在で自分の意見をストレートに主張する台湾の人たちを見て、私はなんだか心が自由になるような気がしました。これまでの私は周りからどう思われるのかを過度に気にするあまり一人勝手にストレスをためていたのだなと気づきました。f:id:ashitagatanoshimi:20190616205422j:image
先に述べたホストファミリーとの酒盛りのシーン、本当に断るのだったらもっとはっきりと断る必要がありました。それに、この時の私は「断るのが正解なの?それとも断らないのが正解なの?」などと考えてしまっていました。どこまでも心の大きなホストファミリーのこと、どっちが正解などということではなく私のどんな返答であったとしても嫌な気持ちになんてならないで受け入れてくれたのだということが今では良くわかります。