明日が楽しみになる日記

おっちょこちょい、人見知り、小心者のこっこが好奇心だけで世界を旅します。

本のプレゼント

「台湾が好きなこっこさんにぴったりだと思って」。本を扱うお仕事をしている知り合いから手渡されたプレゼントの中身は分厚くて重たい一冊の本でした。貰ったのが去年の年末で、読み始めたのは今年の7月に入ってから。担いでいくのは大変でしたが、会社に持って行ってお昼休みに少しずつ読み進めることにしました。

読み始めてすぐに半年以上も読まずに放っておいたことをとっても後悔しました。最近読んだどの本よりも、ぐんぐんひきこまれたからです。この半年、時間はたくさんあったのです。読まなかったのは単に分厚い本の見た目から難解な本なのではと勝手に決めつけていたからです。

その本がこちら。吉田修一さんの路(ルウ)という作品です。

路 (文春文庫)

路 (文春文庫)

 

舞台は2000年から2007年にかけての日本と台湾。大手総合商社の台湾新幹線事業部に勤める春香のもとに、台湾の高速鉄道として日本の新幹線が導入されることが決まったと一報が入るところから物語はスタートします。

こちらは台湾で私が初めて新幹線に乗ったときの写真。私が乗った高雄から台中まではわずか45分ほどで走ります。
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ぱっと見、日本にいるのと見分けがつきません。台湾で新幹線に乗ることがあったら、是非駅弁を買って乗ってみてください。安くてほかほか温かいお弁当は、台湾にいるなと実感させてくれます。
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物語はフィクションですが、実際の高速鉄道導入を伝える新聞記事も交えながら丁寧に描かれていきます。途中で本当にあった出来事なんじゃないかと思えてきます。台湾のシーンでは、汗が止まらない熱気や濃い緑の木々が目に浮かぶようでした。

読み終えた今、また最初からじっくり味わい直したいと思っています。それと、春香みたいに夢中になって胸が熱くなるような仕事をしてみたいとも思っています。

みなさんは、本を人に贈ったことはありますか。私は思い出せる範囲でも1、2度しかありません。知り合いがそうしてくれたように、その人にぴったりの本をさらっと贈ることができたなら素敵だなと思います。