明日が楽しみになる日記

おっちょこちょい、人見知り、小心者のこっこが好奇心だけで世界を旅します。

記憶をたどる旅

その日、私はしょぼくれた気持ちで羽田空港行きのモノレールに乗っていました。旅の始まりだというのにこんなにも気持ちが落ち込んだ状態で空港に向かうのは初めてのことでした。原因ははっきりしていました。お仕事のことです。夏休み明けから、退職者の引継ぎで新しい業務を引き受けることになって、慣れない中悪戦苦闘した1ヶ月が終わろうとしていました。自分のふがいなさと、予期せぬトラブルとで私はすっかり落ち込んでいました。

モノレールの中で、LINEにメッセージが届きました。台湾でお世話になったホストマザーからでした。いつも元気印の私が珍しく落ち込む様子をホストマザーは彼女らしい言葉で励ましてくれました。それから、台北のシンボルである101の写真を送ってくれました。ホストマザーとホストファザーは毎晩食後に愛犬の散歩に国父紀念館に行くのです。そこからはきれいにライトアップされた101が見えます。滞在中は私も一緒にお散歩に連れていってもらいました。国父紀念館の園内の水面に鏡写しに映る101が綺麗なことも、曜日によってライトアップの色が違うことを教わったのもホストマザーからでした。すっかり小さくかちこちになってしまった心が、あったかくなるような気がしました。
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今回旅にあたってした事前準備は2つだけです。ひとつはWifiのレンタル申し込みをすること。いつも私はGLOBAL Wifiという会社からレンタルしています。事前にウェブ申し込みを済ませてあったので、羽田空港では京急線の改札付近にある窓口でQRコードを提示するだけですんなり借りることができました。Wifiルータ以外にもバッテリーやオーストラリアに対応した電源プラグも一緒に入っているのでとっても助かります。

townwifi.com

2つめはEtasというオーストラリア入国のための渡航許可証に申し込むことです。調べてみたところ、以下のサイトで申し込むのが安いとのことで今回はこちらでお願いしました。 入金の確認がとれてからは本当にまもなく渡航許可証が発行されました。この渡航許可証はパスポート情報と紐付けられているので、今回の渡航中に書類の提示などは必要ありませんでした。

shop.viewgrant.com

今回ブリスベンに行くのに利用したのはカンタス航空です。羽田空港からは夜22時にシドニー行きが出ています。シドニーからは国内線に乗り継いで午前中にはブリスベンに着くスケジュールです。

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 カンタス航空の機内、日本の航空会社とは違ってベテランのキャビンクルーがたくさんいました。私の座っていたエリアはスティーブンというベテランの男性キャビンクルーが担当で、軽快なトークでキャビンを盛り上げていました。そういえば、オーストラリアの小学校で一番の仲良しだったクラスメイト、マーニーのお母さんも現役のキャビンアテンダントだったことを思い出しました。当時マーニーの家に遊びにいくと「これからフライトだから」と言って不思議な時間に出かけていくお母さんを見ることがあって、お母さんがキャビンアテンダントだなんて、なんて素敵なんだと思っていました。

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飛行機の中では考えないようにすればするほど、お仕事のことがぐるぐるしてあまり眠れませんでした。日本を出発して12時間が経つころ、私はブリスベン空港の国内線ターミナルに降り立っていました。今回の旅では、観光はせずに懐かしい景色をたどってみようと決めていました。子供のころにたった1年過ごしていただけの場所です。それに、当時の移動手段は家族の運転する車だったこともあってそれぞれの位置関係や距離感なども全く分かりません。そんな不確かな記憶をたどる旅。思い出の場所には無事にたどり着けたのでしょうか。