明日が楽しみになる日記

おっちょこちょい、人見知り、小心者のこっこが好奇心だけで世界を旅します。

甘えるということ

もしこの世界に「おもてなし選手権」という大会があったら、台湾のホストマザーは間違いなく表彰台に立つでしょう。小さくて華奢なママはエネルギーの塊みたいな人で、そんなに頑張って倒れちゃわないのかなと私は心配になるほどでした。

もしこの世界に「愛妻家選手権」という大会があったなら、台湾のホストファザーはもれなく入賞するでしょう。ホストファザーは天真爛漫で頑張り屋さんのホストマザーのことが大好きなのが他人の私にも伝わってくる、そんな家族でした。

ある晩、「パパー、大変〜」とキッチンにいるママが叫びました。「どうしたの」とパパが寝室から飛び出して来ました。「卵がないの。明日の朝ごはんの卵。」とママが言います。このとき時刻は既に夜の10時。パパは「じゃあ、俺買ってくるよ。」と言って嫌な顔ひとつせず出ていきました。

ママは毎朝大げさではなく6、7品の朝食を作ります。台湾は市販で安い豆乳がたくさん売られていますが、豆乳も豆から手作り。私が大の蛋餅(ダンビン)好きと知るやいなや翌朝は蛋餅が食卓に並びました。だから正直なところ、卵が無くても十分メニューは豊富だったはずなのです。

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そんな様子を見ていた私が「パパはいつもママの希望を叶えてくれるでしょ。お出かけのときだっていつも車出してくれるし。」と言うと、「あら、こっこ。私がパパにあれして、これしてって言うのはあの人のためでもあるのよ。」とさらっと言いました。ママ曰く、パパは元々あまり社交的なタイプではなかったそうです。それがママの提案でAirbnbを始めてから、色んな国の人とも臆せず話せるようになって、元々得意だった英語の勉強も再開してと色んな変化があったそうです。「定年退職したパパが何もやることがないってなるのはいけないって思って、敢えて色々やってもらってるのよ。」と。

写真はママが気分が落ち込んだり、元気のないときにはここに来るのと連れて行ってくれた場所です。
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ママの様々な提案に私が遠慮して「いいよ、いいよ」というとママは決まってしょんぼりした顔をしました。人に頼られたり、人の為に何かするのがママのエネルギーの源になっているのだと感じました。そのことを良く知っているママだからこそ、パパへの甘え方も天下一品なのです。そして、大好きなママから頼られることがパパの生き甲斐でもあるのです。それは東京での生活で他人に迷惑をかけないように、地元に住む家族には心配をかけないようにと過ごしてきた私にとって新鮮な体験でした。

周りの人の厚意に「ありがとう。」と笑顔で甘えてみること。(できればママみたいにチャーミングな感じで(*^^*)。)私が台湾のホストファミリーに教わったことのひとつです。

私の台湾での滞在記は以上です。読んで下さってありがとうございました。来月からはまた違うテーマで綴っていく予定です(^^)。